盗撮事件の弁護

盗撮行為と言っても、刑法に盗撮罪という罪名があるわけではありません。
それでは盗撮行為をした場合、どのような犯罪が成立するのでしょうか。

都道府県は、条例を定めることができ、通常、この条例で盗撮行為が禁止されています。
たとえば東京都の場合、「都が公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」というものを制定しています。この条例は名称が長いため、通常、迷惑防止条例と呼ばれています。

そして、この迷惑防止条例の5条1項で「何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない」と規定されています。
追記 平成24年7月から改正迷惑防止条例が施行されています。盗撮行為については、5条1項2号で「・・公共の場所又は公共の乗り物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、・・撮影」することなどを禁止しています。

したがって、公共の場における盗撮行為はこの条項に該当することになります。

罰則については条例の8条2項に規定があり「人の通常衣服で隠されている下着又は身体を撮影した者であるときは、5条1項(第2号に係る部分に限る。)の規定に違反して撮影した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する」と書かれています(上記の通り改正されたため修正)。

また、公共の場所以外で盗撮行為をした場合であっても、犯罪が成立する場合があります。軽犯罪法1条23号は「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」を拘留又は科料に処するとしており、これに該当する場合は軽犯罪法違反となります。

効果的な弁護は示談

盗撮行為が発覚した場合に、有効な弁護方法は被害者との示談になります。
示談を成立させることで、逮捕されていた状態だったものが釈放されるケースや起訴猶予処分となるケースは少なくありません。

加害者やその家族に連絡先を教えることは被害者が拒否しますので、示談交渉は専門の弁護士が担当しますが、その場合でも、本人の反省文を読みたいという被害者もいらっしゃいます。
したがって、そのような場合には、本人に被害者宛の謝罪文を作成していただきます。

殺人事件などの場合と異なり、盗撮事件の場合は被害者が示談を拒否するというケースは少ないですが、中には、弁護士とであっても連絡を取りたくないので示談を拒否するという被害者もいらっしゃいます。
その場合は、次に述べる贖罪寄付を検討することになります。

贖罪寄付

示談ができない事案は、贖罪寄付をすることで、自己の行為の反省を示すことができます。
寄付をする先は、贖罪寄付にふさわしい機関であれば、問題ありません。
交通事故の案件では交通遺児のための寄付が相当でしょうが、盗撮事件を含む刑事事件では弁護士会に寄付をするケースが多いです。

贖罪寄付をした場合は、証明書が発行されますので、これを検察官に提出し、処分の参考にしてもらうという流れになります。

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